医療技術の進歩により、癌をはじめとする命にかかわる多くの病気に対して、優れた治療法が日々開発されています。数年前には助からなかったような患者さんが社会復帰を果たし、より身体に優しい治療によって生活の質(QOL)が向上するケースも増えてきました。しかし一方で、アルツハイマーやうつ病といった脳関連の難治性の疾患においては、病気のメカニズムやそれぞれの病態について、いまだ十分に解明されていません。このように、依然として解決が必要な課題が多く残されているのが現状です。
わたしたち株式会社Spectro Decypherは、自社開発の技術に加え、AIを活用した海外の先進診断技術や、医療業界での豊富な経験を活かした開発支援により、正確かつ早期の病気診断、治療、予防に役立つ製品やサービスを提供しています。そして、「革新的診断技術の開発と迅速な社会実装」をスローガンに掲げ、以下の三つの事業を通じて目標の実現を目指しています。
第一の事業アプローチは、「診断薬・治療薬・分析技術分野のプロフェッショナルによる診断薬・システムの開発支援」です。わたしたちは、診断薬メーカーだけでなくベンチャー企業に対しても、製品や臨床試験の設計から薬事申請、事業展開に至るまで、包括的な支援を提供しています。この一連の開発プロセスにおいては、規制当局、臨床現場、そして健診市場との緊密な連携が不可欠であり、迅速かつ適切な市場導入のためには事前の計画と臨機応変な対応が求められます。私たちの支援が、多くの診断薬の開発と速やかな臨床現場への普及につながることを願っています。
第二の事業アプローチは、「マルチオミクスのAI解析技術の開発」です。世界トップレベルのAIとマルチオミクス解析を組み合わせた先進的な手法を用い、精度の高い標準化された診断システムを構築しています。この技術が実用化されれば、疾患の早期発見が可能になり、治療法の個別化も進むことで、一人ひとりに最適な治療選択を提供できると考えています。
第三の事業アプローチは、「ミトコンドリア活性を測定する細胞活性センシング技術の開発」です。この技術を使えば、脳の活性を直接測定することができ、アルツハイマー病やうつ病など、現在では病態の解明されていない難治性の脳疾患に対しても、正確な診断が可能になります。これにより、病気の状態や進行がより詳しく理解され、新しい治療法や予防策の発見につながることが期待されます。将来的には、アルツハイマー病やうつ病に対して、不安なく過ごせる社会の実現に貢献できることを願っています。
これらの事業アプローチを通じて、わたしたちは個別化医療の実現を目指すとともに、医療従事者の負担軽減と患者様のQOL向上に貢献していきます。そして、すべての人が安心して健康に過ごせる世界の実現に向けて、わたしたちの使命を全うして参ります。
株式会社Spectro Decypher 代表取締役 中岡 茂