体外診断用医薬品とリスク診断薬の違い

体外診断用医薬品(In Vitro Diagnostics, IVD)とは
体外診断用医薬品とは、人から採取した血液、尿、唾液、組織などを体外で検査し、病気の診断、治療方針の決定、健康状態の確認に用いる医薬品のこと。
「医薬品」と言っても、飲んだり注射したりする薬ではなく、検査に使う試薬・キット・測定用デバイスなどが該当する。※海外では、Medical deviceとしてひとくくりにされるケースが多い。

【特徴】

  • 対象:体外検体(血液・尿・唾液・組織など)であり、体内には投与しない
  • 目的:診断や治療方針決定の支援。感染症、がん、生活習慣病、遺伝子検査など幅広い領域で使われる。
  • 規制:日本では「体外診断用医薬品」として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認や認証を受ける必要がある

 

【例】新型コロナウイルス抗原検査キット、血糖測定試薬、がん遺伝子パネル検査、血中腫瘍マーカー検査薬、内分泌ホルモン検査薬など様々なものがある。

 

リスク診断薬とは
現在の病気の有無を診断するのではなく、将来その病気にかかる可能性(リスク)を評価する検査薬のこと。
遺伝子多型や特定のバイオマーカーを測定して、疾患発症リスクを示す。

【特徴】

  • 目的:病気の「診断」ではなく「リスク評価」。予防医療や個別化医療に有用だが、直接的な診断エビデンスにはならない
  • 規制:現状、日本では保険適用外であり、医療行為に用いることはできず、自由診療や健康サービスとして提供される

【例】リキッドバイオプシー遺伝子検査(各種癌の発症リスク)、線虫検査(各種癌の発症リスク)、ALDH2遺伝子型(飲酒関連がんリスク)、その他の尿・血液バイオマーカーによるがん発症リスク評価

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