次世代型脳機能測定技術の開発(ミトコンドリア活性測定)

アルツハイマー病やうつ病など脳関連疾患の患者増加は、今や世界的な社会問題になっています。
しかし、正確に病態の把握ができていないこともあり、有効な治療薬の開発は難航しています。
脳の構造をみるMRIやCT、脳内の血流をみるf-MRI、脳障害を起こすとされるアミロイドβの沈着をみるアミロイドPETなど間接的に脳の障害を検査する方法はありますが、脳組織(脳細胞)の活性を直接観測できる方法がないのが理由です。
そこで私たちは、ミトコンドリアでエネルギー生成される際に発生する水のみを測定する技術を開発し、マウスの脳細胞中のミトコンドリア活性を直接的に観測することに成功しました。
本技術はすでに特許出願済みであり、関連特許の出願準備も進めています。
私たちは、この次世代型細胞活性センシング技術について、基礎研究での活用だけでなく、臨床応用も視野に入れています。
近日中に動物を用いた実験方法を確立し、創薬におけるリード化合物の評価プロセスへの導入実現を検討しています。
並行して、治験における患者層別化や実臨床での脳関連疾患の診断など、人を対象とした臨床応用も検討していく予定です。
本技術の研究開発には、O-17の超高感度測定技術の開発とデータ解析アルゴリズムの構築、創薬ノウハウ、事業化のノウハウが必須になります。
私たちは社内エキスパートだけでなく、国内外のNMRやAI研究者・技術者の協力を得て、技術開発から臨床応用実現への道を着実に歩んでいます。

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